親知らず抜歯のリスク
埋まって生えている親知らずを抜歯する時には、歯根と歯冠をいっしょに抜くと歯根が下歯槽神経を傷つけてしまう恐れがあるので、歯根と歯冠を分割してから抜くのですが、それでも歯根が神経を傷つけてしまうこともあるのです。
麻痺がおこると、飲んだり、食べたりするときに唇や舌を動かしにくくなります。また、舌神経が損傷して、舌にしびれや味覚障害がおこる舌神経麻痺という症状もあります。
親知らずを抜歯後にでる麻痺やしびれにはいくつかの種類があります。下顎の親知らずの抜歯後に麻痺やしびれがおこる可能性のある症状のひとつに、下歯槽神経麻痺があります。
これは、歯根のすぐ下にある下歯槽神経が、抜歯をする時に損傷してしまうと、下唇から下顎にかけて麻痺が起きる症状です。
埋まって生えている親知らずはさらに下歯槽神経に近くなってしまいます。
埋まって生えている親知らずを抜歯する時には、歯根と歯冠をいっしょに抜くと歯根が下歯槽神経を傷つけてしまう恐れがあるので、歯根と歯冠を分割してから抜くのですが、それでも歯根が神経を傷つけてしまうこともあるのです。
麻痺がおこると、飲んだり、食べたりするときに唇や舌を動かしにくくなります。また、舌神経が損傷して、舌にしびれや味覚障害がおこる舌神経麻痺という症状もあります。
舌神経は、した顎骨の内側で下顎神経から分岐して舌まで届いている神経です。抜歯時の切開で傷つけてしまったり、傷口を縫合する時に神経を巻き込んでしまったりしたことが原因で舌神経麻痺が発生してしまいます。
下顎の親知らずの抜歯にはこれらのリスクが伴うものなので、抜歯の前には、このことに関して医師から説明がありますし、抜歯前にCTによる検査を受けることで、これらの症状はほとんど避けることができます。
また、ごくまれに麻酔の影響でしびれが残ってしまうこともあります。これは時間の経過で治っていくものなので心配はありません。
神経の損傷の場合には、損傷の度合いにより回復に要する期間は違いますが、3週間から、数ヶ月で回復するケースが多いようですが、数年にわたり続く場合もあります。
麻痺やしびれには、ビタミン12などを服用する薬物療法、星状神経ブロック、半導体レーザー、ステロイド剤、漢方薬などで神経の回復を促すための治療がおこなわれます。これらの治療は神経損傷の直後から開始する必要があり、期間を開けてから治療を始めても効果が出ない場合がほとんどです。