入れ歯か?インプラントか?入れ歯博士が本気で考えてみました

コラム

入れ歯か?インプラントか?入れ歯博士が本気で考えてみました

入れ歯か?インプラントか?入れ歯博士が本気で考えてみました

こんにちは、東京渋谷の歯医者ホワイトエッセンス渋谷医師の田中健久です。

歯を失って入れ歯にするか?インプラントにするか?迷われている患者さんは非常に多いのではないでしょうか?

私も歯を、どうしても抜かなければならない患者さんにその後インプラントにするか?入れ歯にするか?を説明する際に非常に迷います。今回は、歯を抜いてブリッジではなく、入れ歯かインプラントしか選択肢がない場合に関して、私、入れ歯博士が本気で考えてみました。

どんな時が、入れ歯かインプラントか?

どんな時が、入れ歯かインプラントか?

入れ歯かインプラントの2つの選択肢しかない場合は、奥歯の二本を失った場合になります。奥歯の2本を失うとブリッジをすることができません。

上下左右奥歯の8本を大臼歯と呼びます。この大臼歯を2本連続して、失った場合は、ブリッジを行うことができませんので、入れ歯かインプラントの選択をすることになります。初めに入れ歯かインプラントを提案されるのは、このケースです。

2本の入れ歯かインプラントを選択することになります。結構、この判断は、迷われると思います。

入れ歯もインプラントもしないとどうなるの?

歯を抜いた部分を、何もしないで、そのままでも良いか?という質問を、患者さんから聞くことがあります。何もしないで反対側で食べれるから、大丈夫ですと言われる患者さんもいらっしゃいます。

ホワイトエッセンス渋谷では、そのような患者さんも気持ちも理解しているのですが、そのままにしていると、実は大変なことが、後で待ち受けていると説明します。

歯は、動きます。例えば下の奥歯を失ってしまうと上の歯が伸びてきてしまい、下の歯茎にぶつかるようになってしまいます。また、失った前の歯は、後ろに倒れてきてしまいます。片方のバランスが崩れると、反対側の咬み合わせのバランスも崩れますので、全体的な咬み合わせの崩壊が進みます。

咬み合わせの崩壊が進んでからのインプラントや入れ歯治療は、非常に困難となります。そのため、難易度も上がり時間も通常の倍以上かかってきます。
人間の体は、バランスで成り立っています。片方の歯を失いそのままにしていると左右の筋肉のバランスが崩れて顎関節症や肩こりや腰痛を引き起こすとも言われています。

部分入れ歯とは?

部分入れ歯とは?

部分入れ歯とは、部分的に失った歯を回復する装置になります。

バネがあり、バネにて入れ歯を動かないように固定します。バネで固定しますので、多少の動きが生じます。これは致し方ない部分です。 歯の部分の他にピンクの歯肉の部分で歯茎の上にのってくる床と言う部分があります。

部分入れ歯は、異物感が強いと言われる患者さんもいらっしゃいますが、インプラントの治療がスタートしたのは、1965年ですので、50年くらいの歴史しかありません。それまでは、すべての治療が入れ歯であったことになります。

以前より、使用されていた部分入れ歯ですが、お口の中できちんと使用すれば、義手や義足のように自分の体の一部として機能する優れものです。歯が2本分の入れ歯の写真ですが、他にも1から13本まで補うことができ、14本のすべての歯を失うと総入れ歯となります。

インプラントとは?

インプラントとは?

インプラントは、図で言うグレーの部分になります。骨と結合するというチタンの特徴を生かして、開発されたものとなります。インプラント(ネジ)と骨が結合し、その上に土台と被せ物という仕組みとなります。インプラントは、虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。

インプラントの材質は、チタンになります。その上の土台は、ジルコニアやチタンとなり、被せ物は、セラミッククラウン・ハイブリッドクラウン・ジルコニアクラウン・メタルクラウンなどがあり、材質により金額が変わります。

入れ歯とインプラントの比較

入れ歯 インプラント
費用 安い(約1万円)保険・保険外(20〜30万円) 高い(1本約30〜50万円)保険外歯のない本数で違う
寿命 短い 長い
咬む力 弱い 強い
虫歯 なる ならない
歯周病 なる なる
見た目 悪い 良い
治療期間 短い 長い
違和感 強い 少ない
骨の吸収 多い 少ない
他の歯への影響 大きい 少ない
手術 なし あり
入れ歯・インプラントの費用

入れ歯は、保険の場合は、2本分ですので費用は、1万円以下です。保険外の場合は、特殊な装置を作成して20万円から30万円くらいでしょうか?使用する金属によって費用が変わってくると思った方が良いです。

インプラントは、東京都の平均が1本30万円から40万円ですので、2本で60万円から80万円となります。インプラントの上部構造の種類によっても費用が変わります。セラミックやジルコニアに比べて銀歯などは安くなります。

費用に関してまとめるとインプラントの方が入れ歯の約2倍費用が高くなっています。インプラントの方が、費用が高い理由は、そもそもの使用するインプラント体や材料代が高いためとなります。そのため、インプラントは高いと思われている患者さんも多いですが、実は、30万円から40万円の費用は、妥当な金額で、N社の報道であったインプラントは金儲けだというニュースは正しくはありません。

インプラントは、行うにあたりのセミナー費用も高額ですし、一度受けただけではものになりませんので、何度もセミナーを受ける必要があります。また毎年のようにアップデートが必要になりますので、それなりに費用がかかってくるわけです。

入れ歯・インプラントの寿命

入れ歯・インプラントの寿命

インプラントは、歯周病にさえならなければ、生涯を通して使用することができます。インプラントは、10年生存率が90%を超えています。

それに対して、入れ歯は、よほど条件が整っていない限り、バネをかけている歯が歯周病になり欠損の拡大が起こります。この現象は結構多くのケースで見られますね。

インプラントも入れ歯もセットして終わりではなく、その後のメンテナンスが非常に重要になります。定期検診とご自身のでのブラッシングを怠ってしまわれると何れにしても寿命は、短くなります。

インプラント自体はインプラントと骨が結合すると、歯周病にならない限り、半永久的に使用できますが、被せ物(クラウン)は、タイヤと同じでだんだんすり減ってきますので、10年くらいで交換したほうが良いです。

総入れ歯になると、入れ歯の寿命はある程度長くなります。特に保険外(自費)の入れ歯は、寿命が長く、5年から10年くらいは問題なく使用できると思います。

入れ歯・インプラントの咬む力

入れ歯・インプラントの咬む力

入れ歯で咬む力は、天然の歯の半分と言われています。理由は、簡単ですよね。プラスティックの歯とバネになりますので、固定はされていないわけです。
そのため、咬む力が弱くなってしまいます。また、固定する力を強くすると今度は、固定している歯の方に負担がかかりやすくなります。

インプラントの咬む力は、天然の歯とほとんど変わりがありません。しかし、咬み心地は、天然の歯と違います。

インプラントは、骨と結合していますが、天然の歯は、歯根膜という膜が骨との間に介在していますので、トランポリンの役目をして、少し沈み込みます。これがインプラントと天然の歯の大きな違いになります。

咬む力と言っても、日本人は特に繊細ですので、微妙な違いがあるとおっしゃる患者さんが多いです。

虫歯

虫歯

部分入れ歯が虫歯になることはないですが、部分入れ歯の隣の歯やバネがかかっている歯は、虫歯になりやすいです。

これは、どうしてもですが、汚れが溜まりやすいという理由から、虫歯になりやすいという結果になります。

インプラントは、インプラント自体が虫歯になることはありません。また、インプラントの隣の歯が虫歯になることも少ないです。

歯周病

歯周病

虫歯とほとんど同じ考え方になりますが、部分入れ歯の隣の歯やバネのかかっている歯は、汚れが溜まりやすいということで、歯周病にもなりやすいです。
できるだけマメに歯ブラシをしてあげて、清潔な状態を保つことがポイントになります。

インプラントは、歯周病になります!歯を失った原因が虫歯や歯周病なら今まで以上に歯ブラシを頑張らないとインプラントが歯周病になってしまいます。
せっかくインプラントと骨が結合しても、その後に、お手入れを怠り、歯周病になってしまっては、元も子もないということになります。

入れ歯もインプラントも治療が終了したら終わりだと思われて、歯科医院に定期的にいらっしゃらず、汚れや着色を落としに来なくなる方が多いのですが、そうすると歯もインプラントも失うことになりますので気をつけてください。

入れ歯・インプラントの見た目

入れ歯・インプラントの見た目

部分入れ歯は、バネがあります。どうしてもこのバネの部分は、目立ちます。写真のように、バネが見えると見た目は、よくありません。

インプラントは、部分入れ歯と違いバネがありません。見た目に関しては、天然の歯と非常に近いところまで持っていくことができます。

見た目と言う部分では、やはりインプラントに部があります。部分入れ歯は、どうしてもこのバネが必要ですので、見た目が劣ってしまいます。
最近では、このバネがない、ノンクラスプデンチャーという新しいタイプの入れ歯が、出てきています。

入れ歯・インプラントの治療期間
入れ歯

ホワイトエッセンス渋谷で、普通に入れ歯を作成した時の回数期間

  • レントゲン・歯周検査
  • 型採り・咬み合わせ
  • 配列試適
  • 完成
  • 調整

回数は、5回になります。全体的な期間は、一ヶ月が平均になります。

インプラント

ホワイトエッセンス渋谷で、普通にインプラントした時の回数期間

  • レントゲン・歯周検査
  • 一次手術
  • 二次手術
  • 精密印象・咬合採得
  • 完成

回数は5回で入れ歯と変わりません。しかし、インプラントの場合、一次手術をしてから下あごで2ヶ月間、上あごで3ヶ月間は骨と結合するのを待ちますので、期間が入れ歯に比べると長くかかります。

だいたい下あごで3ヶ月で、上あごで4ヶ月が平均になります。仮歯などで歯肉の状態を整えてから最終的な型採りとなるとプラス2回から3回、回数がかかります。

入れ歯・インプラントの違和感
入れ歯

入れ歯は、違和感というよりは、異物感かもしれません。どうしてもバネや歯肉の上に床というピンクの部分が来ますので、歯の形ではなく、違和感というよりも異物感を感じると思います。また歯の部分にバネが来ます。

今まで歯の部分には何もありませんが、部分入れ歯を行うことで、手前の歯にバネの固定が必要になりますので、どうしても今まで以上に違和感を感じると思います。

インプラント

インプラントは、以前にい比べると天然の歯に非常に形態を似せて作るようになりました。

一昔前は、インプラントへの負担を考えて幅を狭くした形態などを付与していましたが、現在では、どれだけ天然の歯に近い形態にできるかを皆さん目指していますので、今までよりもよりリアルな被せ物となっており、違和感も少ないと考えてください。

入れ歯・インプラントの骨の吸収
入れ歯

歯を失うと骨が吸収します。これは、必ず起こる現象になります。人間の体は、歯を失って必要がないと判断すると廃用性萎縮と言われる骨の吸収が起こります。

つまり、入れ歯を使用していると隙間が生じてくる現象が起こります。できた隙間は、埋まりませんので間を埋めるように歯科医院に通院しましょう。

インプラント

インプラントは、骨の吸収を妨げると言われていました。前歯などで骨が吸収しないように、インプラントを早めに埋入する抜歯即時埋入インプラント呼んでいました。

しかし、昨今の研究で分かったのは、インプラントを埋入したからといって、骨の吸収は、治らないことがわかってきました。そのため、インプラントを埋入するプラス骨造成や歯肉移植が必要だと言われています。

他の歯への影響
入れ歯

他の歯への影響は、部分入れ歯の場合は、バネがかかる歯が問題となります。これは、バネが横に歯を揺らしますので、それにより、歯が抜歯のような動きをしてしまい、だんだんに弱っていくという現象が起こります。

歯周病の部分でも書きましたが、他の歯への影響が大きいのも部分入れ歯のデメリットかもしれません。

インプラント

インプラントは、他の歯への影響は、ほとんどありません。もしあるとするならば骨がないために、骨造成などをした際に歯肉が下がってしまうことぐらいです。

インプラントは手術が必要
入れ歯

入れ歯は手術を行う必要がありません。例えば、全身疾患をお持ちの患者さんは、インプラントを受けたくてもなかなか行うことができません。

高血圧でコントロールができてない患者さんや糖尿病がコントロールできていない患者さんは、インプラント手術ができませんので、部分入れ歯の治療がメインとなります。

インプラント

インプラントの一番のデメリットは、手術を行う必要があるということです。

最近では、歯肉を切らずにできるだけ侵襲を少なくする方法が行われるようになってきましたが、それはそれでトラブルもあります。

歯肉を開かなければ、中の骨の状態は確認できませんので、骨の中に肉芽などが入り込んでいる場合は、インプラントと骨が結合せずに失敗に終わる場合もあります。

そこから考えるとやはりある程度の侵襲がある手術が必要だということになります。

インプラントのメリット・デメリット

メリット
  • 自分の歯のように咬める。
  • ケースによってですが、見た目は、天然の歯に近い。
  • 外れない。
  • 発音がしやすい。
デメリット
  • 歯周病になる。
  • 要介護になった際にお手入れが大変である。
  • 骨がないとインプラントできない。
  • 骨粗鬆症の患者さんにはできない。
  • 糖尿病などの全身疾患がある人には、できない場合がある。

入れ歯のメリット・デメリット

メリット
  • 取り外していつでも洗うことができる。
  • 骨が少なくても作成できる。
  • 骨粗鬆症でも対応できる。
  • ブリッジやインプラントが対応できなくても作成できる。
  • 介護になっても問題ない。
デメリット
  • 外れやすい。
  • インプラントに比べると咬みにくい。
  • 喋りづらい。
  • 慣れが必要。
  • 異物感がある。

インプラント入れ歯

インプラント入れ歯

インプラントを2本程度埋入して、磁石やボタンなどの装置を用いて、固定してく方法がインプラント入れ歯になります。

通常の入れ歯に比べて、外れにくいというメリットがあります。2本のインプラントだとしても、十分維持が効きます。また、取り外しができますので、介護の状態でも問題なく外して洗うことができます。

少ない本数ですが、外科処置が必要になり、骨がないとインプラントを埋入できません。

こちらインプラントを少ない本数埋入して、入れ歯を固定しますが、入れ歯やインプラントのお手入れができない人は、やめておいたほうがよろしいかと思います。

オールオン4

オールオン4

オールオン4は、4本のインプラントを埋入して、総入れ歯を固定する画期的な方法になります。以前は、インプラントを10本から12本必要でしたので、4本で固定することができるオールオン4は、非常に経済的にもリーズナブルとなります。

オールオン4は手術をしたその日に入れ歯を固定することができますので、その日より簡単な食事が可能になります。

入れ歯を4本のインプラントで固定するので、その内の1本でも歯周病になってしまうと固定が出来なくなってしまうデメリットもあります。一見画期的な治療方法ですが、それなりにお手入れができることが必須条件になります。

オールオン4は、歯のない患者さんにとって夢のような治療法です。しかし患者さんにとって凶器にもなります。

まとめ

入れ歯博士からの提案としては、噛めないからといってむやみにインプラントを行うことは、間違っているのではないかと思います。

私は今までインプラントも入れ歯も相当な症例数を行ってきて思うことがあります。日々の歯ブラシが雑な方にインプラントを行うと、後でインプラント周囲炎(歯周病)になって戻ってきます。

定期的に歯科医院でクリーニングを通うことができない患者さんにインプラントを行えば、これまたインプラント周囲炎(歯周病)になって戻ってきます。
「入れ歯とインプラントは、どちらが良いのですか?」と患者さんから、よく聞かれます。答えは、患者さんの中にあります。

治療を選択する際に、なぜ歯を失ったのか?を考えてみると答えが出てきます。歯周病や虫歯を放置したことにより歯を失ったのであれば、インプラントは歯周病になる可能性が高いです。心を入れ替えて日々のブラッシングや定期検診を受けるようにしましょう。

日々のブラッシングや定期検診に通う自信がない場合は、入れ歯の方が良いかと思います。また、そもそも全身疾患や介護などが必要な場合は、きちんと咬める入れ歯を作製できる歯医者さんを見つけましょう。

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