1日3回歯磨きしても虫歯になるそのワケは!?
[speech_bubble type="std" subtype="R1" icon="lady7.png" name="今日子"]先生、私毎日歯を磨いているのにどうして虫歯になってしまうのですか?[/speech_bubble] ...
薬局やドラッグストアに行くと様々な歯磨き粉が発売されており、どれを選択したら良いかと患者さんから質問されます。
用途に応じて異なる歯磨き粉選びのポイントと、私たち歯科医師が選ぶ歯磨き粉ベスト10を紹介します!
虫歯予防や歯を白くしたい等、症状や目的にあわせて説明したいと思います。
目次
虫歯になりやすい人は、「フッ化ナトリウム」「フッ化リン酸ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」「フッ化第一スズ」等、フッ素が配合された歯磨き粉がオススメになります。
また「酸クロルヘキシジン」「トリクロサン」「塩化ベンゼトニウム<」などの殺菌効果の高い歯磨き粉もオススメです。 基本的に虫歯の多い人は、歯ブラシで歯垢や汚れを徹底的に落とす必要があります。
なぜなら、せっかくフッ素配合でも歯に汚れや食べかすがついているとフッ素の効果が歯の表面まで届かないので、フッ素濃度が高くても効果はなくなってしまします。
そのため、ある程度研磨剤が多く含まれている歯磨き粉の選択も良い思います。しかし、研磨剤が入っていることで、歯の表面も傷つくことも理解しておきましょう。
商品名 | フッ素濃度 |
---|---|
クリニカ130g | 960ppm |
クリアクリーンナチュラルミントST140g | 883ppm |
オーラ2100g | 925ppm |
バトラー エフペーストα(アルファ)90g | 1450ppm |
キシリデント ライオン120g | 950ppm |
サンスターGUM140g | 924ppm |
デンターシステマEX130g | 960ppm |
ガードハロー165g | 883ppm |
ライオンこども歯磨き40g | 960ppm |
やはり虫歯予防の場合はフッ素濃度の高い歯磨き粉がベストです。勿論しっかりと磨くことが前提になります。
市販の歯磨き粉の悪い点は、発泡剤が多く含まれていますので、磨けていないのに磨いた気になってしまうという点が問題になります。
まずは、歯科医院を受診して歯磨きの方法を学んでみてから、毎日の歯ブラシを行いましょう。
歯周病になりやすい人は、市販の歯磨き粉ではなく歯科医院にて指示のあった製品を使用することをオススメします。
市販の歯磨き粉はあくまでも歯周病予防の歯磨き粉であり、予防がメインである為、歯周病になってから使用しても遅いという現実があります。
「あの歯磨き粉を使って磨いたら、歯ぐきから出血しなくなった。」と良く聞きますが、実際は、歯磨き粉が良いのではなく、きちんと磨いたので歯ぐきが引き締まり出血しなくなった場合がほとんどだと思われます。
例えば、「アセス、デントヘルス、生葉」などありますが、虫歯と同じく歯ブラシの方が重要で、歯ブラシにより歯周病が良い方向へ治癒していくとお考えください。
歯科医院専売の中でのオススメは、やはり「コンクールF」ですね。グルコン酸クロールヘキシジンを配合しているために、浮遊している歯周病菌を殺菌してくれます。歯科医院専売品には、歯周病に対してきちんと効能があると製品を提供しますので効果があります。
歯ブラシをして、毛先がその部分に触れると「キーーーン」という鋭い痛みを伴う場合がありませんか?ほとんどの場合は、虫歯ではなく「知覚過敏」であることが多いです。
知覚過敏の原因は、様々ありますが、歯磨き粉として有名なのは「シュミテクト」です。シュミテクトは「硝酸カリュウム」という成分が含まれており、イオン化して歯髄(神経)の周りにバリアをつくり、刺激の伝達を遮断します。
歯がしみる場合は、次のような歯磨き方法を推薦します。
歯がしみる原因は、虫歯か知覚過敏だと推測できます。しかし、自分で判断ができない場合が多いですので、歯科医院を受診して確認の上で歯ブラシを行うようにしましょう。
口臭は、生理的口臭と病的な口臭に別れます。
生理的口臭は、食べ物・タバコ・アルコールなど誰しもが、飲んだり食べたりすれば感じる臭いです。
病的口臭は、次のようなものがあります。
しかし、口臭の90%は虫歯・歯周病と言われています。口臭が気になったら、まず、この2つを気にしましょう。
また、唾液が少ないと自浄作用がなくなりますので、なかなか歯磨きをしても口臭が消えないということになります。
口腔内細菌にも注目です。お口の中の細菌数が増えると細菌の出す代謝産物により口臭が発生します。
虫歯や歯周病をそのままにしておくと細菌数が増加していきますので、口臭の原因となります。虫歯や歯周病は放置していて快方へ向かうことはありません。
しっかりと治療を行い、細菌数を少なくするようにまずは努めましょう。
口臭が気になるからといってむやみに歯をゴシゴシ磨いたり、舌ブラシで磨いたりすることは控えましょう。かえって歯ぐきを傷つけたり、舌の磨き過ぎで細菌のバランスが崩れて、口臭がひどくなる場合があります
歯を白くしたい場合、2つのことが考えられます。
一つは、歯の表面に着色があり、着色を落として歯を白くしたい人。もう一つは歯の内部の黄ばみを白くしたい人の2つのパターンが考えられます。」
歯の表面についた着色は、研磨剤の入った歯磨き粉を用いて磨くことで落とせます。
問題は、歯の表面まで磨いて傷をつけてしまうと余計に着色がつきやすくなる点です。
歯科医院にて着色を除去する場合は、目の粗い研磨剤・中程度の研磨剤・軽度の研磨剤とめの粗い研磨剤をから細かい物までを用いて、歯の表面を最終的にツルツルの状態に仕上げていきます。
その結果、着色しにくい表面となります。ご自宅で着色を落とすことは、可能ですが、歯の表面まで傷をつけないように注意しましょう。
市販の歯磨き粉は、ホワイトニングというネーミングであったとしても、着色汚れを落として、本来の白い歯に戻すといった製品が殆どです。
歯本来の色をホワイトニングで白くする製品はあまり見当たりません。海外製品でスーパースマイルアクセラレーターが、唯一歯をホワイトニングする効果のある過酸化尿素が含まれています。
しかし歯科医師の指示のもとに販売する製品となりますので、歯科医院の受診が必要となります。
人により症状は、様々になりますので目的にあった歯磨き粉を選択しましょう。
バイオフィルム(細菌の塊)に浸透・殺菌する IPMP(イソプロピルメチルフェノール)配合した歯磨き粉。
歯周病の原因となるバイオフィルムは、通常、浸透できませんので、バイオフィルムを殺菌してくれる歯磨き粉としては、優秀だと思います。また、低発砲で低香味なので、長時間歯ブラシを行える点も魅力になります。
歯周病でお困りの患者様に、効果のある歯磨き粉になります。天然成分を用いて歯周病を予防する歯磨き粉になります。
研磨剤が入っておりませんので、歯の表面を傷つけることがありません。泡がきめ細かく汚れを分解して、汚れのつきにくい歯を保つことができます。
ミクロの傷を修復して、再石灰化を促してくれます。歯にミネラルを補給して、汚れや着色をつきにくくしてくれます。また、虫歯菌(ミュータンス菌)に吸着し、プラークが発生しにくい環境を醸成する働きがあります。
ピロリン酸ナトリウムが歯の汚れを浮き上がらせて歯を白く保ちます。また、フッ化ナトリュウム配合で、虫歯予防効果もあります。
知覚過敏用の歯磨き粉です。硝酸カリウム配合で、歯の神経がしみる信号をバリアしてくれます。
歯肉を活性化し、歯周組織の回復を助ける歯磨き粉です。血行を促進して、組織の新陳代謝を活発化し、歯肉の活性化をはかる。
フッ素が再石灰化を促進し、虫歯の発生・進行を予防します。柔らかいペーストなので、口の中、すみずみまでフッ素が広がります。泡立ちも少なく、やさしい味なので長く磨けます。
歯のクリームでミネラルパックをしてくれます。歯に大切なミネラルが豊富に含まれおり、カルシウムとリンが酸性に傾いた歯の表面を中性に戻します。(牛乳アレルギー)のある方には禁忌になります。
ジェルタイプの歯磨き粉なので、歯のすみずみまで行きわたり、高い殺菌力で虫歯や歯周病を予防します。フッ素コートで虫歯予防を促し、塩酸クロルヘキシジンで歯周病と1つで2役の優れた歯磨き粉になります。また、ジェルタイプなので、歯に薬剤もとどまりやすく効果がでやすい歯磨き粉になります。
様々な歯磨き粉を紹介しましたが、患者様のお口の症状により使い分けが必要なのです。
また、歯科医院で売っている製品がほとんどですので、是非一度歯科医院にて自分に合った歯磨き粉を相談し、使用することをオススメします。