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入れ歯博士が解説!よくわかる入れ歯治療

田中健久
こんにちは、入れ歯博士の田中健久です。

入れ歯治療において最も重要なのは、なぜ咬めないのか?なぜ痛いのか?なぜゆるいのか?を診断する能力です。

やみくもに入れ歯を作っても、問題は解決できません。
入れ歯を診断して、問題解決をするのが入れ歯博士の役割です。


入れ歯入れ歯でお悩みの皆様、入れ歯のかめない理由などをきちんと診査・診断し、かめる状態へ導く治療を行う必要があります。
咬んで痛かったり、かめないには理由があるのです。
その理由を診査・診断して、かめるように解決して行く必要があります。

昨今、入れ歯が影となりインプラントが世の中を風靡した状態となっていますが、まだまだ、入れ歯も捨てたものではないです。

歯医者さんでも、入れ歯が得意な人もいれば、不得意な人もいます。
それは、お医者さんでも内科が専門な方もいれば産婦人科が専門な方がいらっしゃるのと同じことです。

 

入れ歯の長所・短所

噛む老夫婦入れ歯というと年をとったとか?
咬みにくいとか?
悪いイメージが先行するかもしれませんが、入れ歯にも長所がたくさんあります。
入れ歯の長所

    1. 取り外して洗うことができる。

人前で外すのは、恥ずかしいと言われる患者さんも中にはたくさんいますが、入れ歯を取り外して洗うことにより食べ物や汚れを洗い流せるというメリットは、インプラントにはありません。

これにより、誤嚥性肺炎を免れることができます。
80歳以上の死因3位は、肺炎です。

    1. 骨が少ない場合でも対応できる

インプラントは、ご存知の通り、手術が必要です。しかも入れ歯を使用しているような患者様の場合、往々にして骨が少ない場合が、ありますので、そのような患者様でも入れ歯で対応することができます。

    1. 骨粗鬆症の場合でも対応できる

骨粗鬆症の方は、ビスフォスフォネートという薬剤を服用する場合があります。近年、ビスフォスフォネートを服用されている患者様にインプラントオペは、顎骨炎を起こす可能性があり、禁忌となっています。

    1. ブリッジやインプラントがうまく適合しなかった場合でも対応できる

ブリッジやインプラントが適応できないようなケースにも、対応することができます。入れ歯は、歯を失った患者様にとって万能な治療方法です。また、インプラントが失敗に終わった場合でも、対応することができます。

    1. 手入れが非常に楽

介護になった際に、入れ歯を洗うだけで良いので、非常にケアがしやすいです。これからの高齢化社会において、問題となるのが認知症や誤嚥性肺炎ですが、入れ歯の場合は、洗うだけで良いですので、非常に楽です。

入れ歯の短所

  • ・固定式ではないために、外れる時がある。長所でも短所でもあります。
  • ・固定式のインプラントに比べれば、咬みにくい。
  • ・異物感がある。こちらは、天然の歯に比べると大きくなり、異物感を強く感じます。

 

入れ歯作成方法の流れ

    1. 問診

こちら非常に重要なポイントです。
なぜかといえば、やみくも入れ歯を作っても満足の行く結果とならないからです。

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  • なぜ、歯を失ったのか?
  • 入れ歯を使用してどれくらいか?
  • 今まで何個入れ歯を作りましたか?
  • なんに不満を感じているのか?
  • かむと痛い?
  • 入れただけで痛い?
  • 入れ歯がゆるくて落ちる?
  • 入れ歯の見た目が気になる?
  • 入れ歯でよく噛めない?
  • 嘔吐反射がある
  • 入れ歯にバネが気になる
  • 味がわかりにくい
  • 頬をかんでしまう
  • 舌をかんでしまう
  • 入れ歯が壊れた

をお伺いいたします。

 

    1. 入れ歯の診査・診断

現在お使いの入れ歯のどこが問題ないのか、お口の中に入れ歯に悪い影響を与えている原因はないのか診査・診断します。

      • 入れ歯の歯の並びに問題がある
      • 入れ歯の歯のサイズに問題がある
      • 入れ歯のかみ合せの高さに問題がある
      • 入れ歯の歯の咬耗がある
      • 前歯の排列位置に問題がある
      • 粘膜面の適合状態が悪い
      • 唾液の量が少ない
      • 舌と入れ歯の大きさのバランスが悪い
      • 入れ歯の外形に問題がある
      • 入れ歯の研磨面形態に問題がある

 

    1. 診査・診断資料採取

入れ歯診査・診断や精密治療のために必要な材料を揃えます。
お写真や、レントゲン等は入れ歯の持ち主様のご協力なしに行うことは出来かねます。

歯を全部失ってしまった

  • 口腔内写真
  • 顔貌写真
  • 入れ歯の写真
  • 口腔内入れ歯写真
  • パノラマレントゲン
  • セファログラム
  • 顎運動動画
  • マルモ
  • コピーデンチャー作成

 

    1. 診療方針決定・診療開始

 

    1. 精密印象

 

    1. 咬合採得

 

    1. 人工歯排列・試適

 

  1. 調整・完成

 

徹底比較!保険の入れ歯と自費の入れ歯

保険の入れ歯だから噛めなかったということは、今までの鑑定人生の中でないと考えています。

保険と自費の入れ歯の違いを良く金属かプラスティックかと言われる患者さんが多いですが、それは間違っています。
保険診療というのは、時間に限りのある治療にです。
なぜなら、どんなに時間をかけて治療を行っても、保険点数は同じですので、早い時間で多くの治療を行わなければなりません。

それに対して、自費診療の場合は、時間をかけてゆっくりと診療を行うことができます。
つまり、時間をかけることができるのが自費診療の特徴です。

金属の方が壊れにくいとか咬みやすいと言われる方も多いですが、それも、間違っています。

人によって金属が良い場合もあれば、金属でない方が良いがあります。

人それぞれ粘膜の柔らかさや形が違うので、一概に全員が金属の入れ歯の方が、咬めると言うわけではないのです。

確かに保険のプラスティックの素材で、プラスティックの人工歯を使用しますので入れ歯本体の寿命は短いです。
しかし、壊れやすいかと言われればそんなことは、ありません。

我々、入れ歯博士の間では、まずは、保険で入れ歯を作成したり、現在の義歯を改良して、改善を計ります。
ある程度の咬める状態を保険の入れ歯で提供したいと考えております。

もちろん、保険の義歯で満足できない患者さんには、自費治療のオプションを用意しています。

部分入れ歯と総入れ歯の違い

部分入れ歯は、1〜13本までの欠損を補う入れ歯の総称です。

それに対して、総入れ歯は14本すべての歯の欠損を補う入れ歯です。

次は、部分入れ歯や総入れ歯にも種類があるので、見ていきましょう。

入れ歯の構造と入れ歯の種類
    1. 保険部分入れ歯・総入れ歯

保険の入れ歯基本的な入れ歯です。
ピンクの部分は、プラスティックでできており、バネの部分は、金属やワイヤーを曲げて作製します。

部分入れ歯の場合、失った部分をつなぐ、プラスティックの部分に違和感を感じる患者さんが多いです。

保険の入れ歯の床総入れ歯の場合は、全ての歯をレジン歯とプラスティックの床で完成させる入れ歯です。

健康保険適用の入れ歯の長所

      • 安価である
      • 費用の割に、良い物が出来上がる

健康保険適用の入れ歯の短所

      • バネが目立つ
      • プラスティックの部分は、壊れやすい
      • 異物感が強い

 

    1. ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャー部分入れ歯において、バネの見た目は、皆さんが気になさる点ですが、ノンクラスプデンチャーでは、このバネの部分を特殊な樹脂で仕上げ、見た目を良くした入れ歯(義歯)です。

長期間の使用に耐えうるわけではないが、仮義歯としての役割は、非常に高いものです。

ノンクラスプデンチャーの長所
ノンクラスプデンチャー装着後

      • バネが目立たなく、見た目が良い
      • 弾力があり、初めのフィット感は、非常に良い
      • 弾性があり、床の部分は割れにくい

 

ノンクラスプデンチャーの短所

      • 時間と共に外れやすくなる
      • バネの部分が壊れやすい
      • その場での修理が、難しい
      • 保険外である

 

    1. チタン床義歯(入れ歯)

チタンは、ご存知の方も多いと思いますが、生体親和性の最も高い金属です。

そのため、入れ歯においても用いられ、その特徴を活かして、患者様を満足させている材料の1つです。
生体親和性もさることながら、軽いという特徴もあります。
強度があり、軽くて、生体親和性があるので、インプラントにも用いられます。

また、歯科だけではなくゴルフや眼鏡などにも多く用いられています。

チタン床義歯(入れ歯)長所

      • 生体親和性が高い
      • 非常に軽い
      • 薄くできる
      • 熱の伝わりが早い
      • 金属アレルギーがない

チタン床義歯(入れ歯)短所

      • 強度があるために、折れる場合がある
      • 保険外で、費用がかかる

 

    1. コバルトクロム床義歯(入れ歯)

コバルトクロム床義歯上顎コバルトクロムの金属は、昔から入れ歯用金属として用いられた材料です。
非常に硬く、入れ歯のバネや床として用いるに相応しい特徴を有しています。

金属として、硬いので加工が難しい、時間がかかるという欠点もありましたが、現在では、CADCAMという機械の発展とともにその欠点が改良されています。

コバルトクロム床義歯(入れ歯)長所
コバルトクロム床義歯

      • 強度があり、バネや床への応用がききやすい
      • 熱の伝わりが早い
      • 金属の値段が安い
      • 薄い

 

コバルトクロム床義歯(入れ歯)短所

      • 金属アレルギーの可能性あり
      • 保険外で、費用がかかる

 

    1. 白金加金床義歯(入れ歯)

白金加金床義歯下顎いわゆる金を用いた入れ歯です。
非常に加工がしやすく適合が良いのが、白金加金床義歯(入れ歯)の特徴です。

バネ(クラスプ)も様々な形態をとることができ、天然の歯への適合が良く精度良く作ることができます。

白金加金床義歯(入れ歯)長所
白金加金床義歯の裏側

      • 精度が良い
      • 適合が良い
      • 強度やねばりがある
      • 熱の伝わりが早い

白金加金床義歯(入れ歯)短所

      • 重い(金を使用しているので重い)
      • 保険外で、費用がかかる

 

    1. インプラントバータイプ義歯(入れ歯)

インプラントバータイプ義歯下顎で多く用いられるバータイプです。
2本のインプラントを下顎前歯部にできるだけ同じ高さで埋入して、間をバーで通して、入れ歯の方にクリップを使用して、パチンととめる方法です。

今まで、様々なインプラントオーバーデンチャーを行ってきましたが、私個人的な意見ですが、1番成績もよく、装置の寿命も長いと思っています。

インプラントバータイプ義歯(入れ歯)長所
インプラントバータイプ義歯装着前

      • 入れ歯の横・縦の揺れに強い
      • 他に比べて装置が壊れにくい

 

インプラントバータイプ義歯(入れ歯)短所

      • インプラントを同じ高さに埋入しなければならない
      • 装置を入れるために、ある程度、入れ歯の高さが必要となる
      • インプラントのバーを軸にして、回転運動が起こる

 

    1. インプラントボールタイプ義歯(入れ歯)

インプラントボールタイプ義歯装着前
インプラントにボールタイプのアバットメントを装着して、入れ歯の部分に丸いゴムを固定して、いわゆるボタンタイプのインプラント義歯(入れ歯)にです。こちらは、ゴムの劣化が起こったら、交換をする必要があります。
インプラントボールタイプ義歯(入れ歯)長所
インプラントボールタイプ義歯

      • ボタンタイプですので、きちっと入れば前後左右など全ての方向への離脱に拮抗してくれる
      • 通常の入れ歯よりも、揺れが少ない

 

インプラントボールタイプ義歯(入れ歯)短所

      • ゴムが劣化したら交換しないとならない
      • 複数本埋入した時は、平行性がとれていないと義歯(入れ歯)が入らない

 

    1. インプラントアタッチメントタイプ義歯(入れ歯)

アタッチメントとは、雄と雌がかみ合う特殊な装置をインプラントと義歯(入れ歯)に設置し、とめるタイプの義歯(入れ歯)です。

インプラントアタッチメントタイプ義歯(入れ歯)長所

      • ボタンタイプよりもきちんと機能すれば維持力がある

インプラントアタッチメントタイプ義歯(入れ歯)短所

      • アタッチメントの交換が必要である
      • 保険外で費用がかかる

 

    1. インプラント磁性アタッチメント義歯(入れ歯)

インプラントアタッチメント義歯インプラントを複数本埋入して、インプラントを軸に入れ歯を固定します。
唾液が少ないなどの問題があり、通常の義歯では、吸着が困難な症例でも、対応することができます。

磁性アタッチメントを用いていると、将来、MRIなどの撮影が困難であると一時期いわれていましたが、入れ歯の方に磁石を埋め込みますので、入れ歯を外せば、普通にMRIの撮影ができますので、ご安心ください。

インプラント磁性アタッチメント義歯(入れ歯)長所
インプラント磁性アタッチメント義歯

      • 横の動きを、規定できますので、入れ歯の横揺れを防止できます
      • 入れ歯が離脱する力に拮抗してくれます
      • 通常の入れ歯よりも揺れが少なく、咬みやすい

 

インプラント磁性アタッチメント義歯(入れ歯)短所
インプラント磁性アタッチメント義歯装着前

  • 磁石の力が弱くなると交換しないとならない
  • 磁力にも限界はある


 

  • 生体用シリコン義歯(入れ歯)

 

生体用シリコンを用いて、作製する特別な義歯(入れ歯)です。

以前は、このようなシリコンは、すぐに劣化すると言われ、あまり用いられませんでしたが、ハイライフグループが作製した生体用シリコンを用いることにより、ある程度、長持ちする義歯(入れ歯)ができるようになりました。

生体用シリコン義歯(入れ歯)長所

  • 咬みこんだ際に、特殊なシリコンが緩衝剤(クッション)の役割を果たす

生体用シリコン義歯(入れ歯)短所

  • 時間と共に劣化が進む
  • かみ合せの高さが変化する

 

 

  • コーヌスクローネ義歯(入れ歯)

 

コーヌスクローネ義歯装着前残っている歯牙を削り入れ歯が筒状におさまる形状の入れ歯をコーヌスクローネと言います。

残存している歯牙を用いて、内冠・外冠を作製し、茶筒のような仕組みを入れ歯にしこむ方法で、極めて高度な治療技術が必要とです。
費用に関しても、使用する金属もゴールドで精度良く作製しなければなりません。
茶筒のフタをもって、左右にふってもなかなかとれないですよね。

こちらコーヌスクローネも同じ仕組みです。

コーヌスクローネ義歯(入れ歯)利点
コーヌスクローネ義歯

  • バネを使用しないので、見た目が良い
  • 茶筒の仕組みで、入れ歯の動揺が少ない
  • 入れ歯を小さくすることができる

コーヌスクローネ義歯(入れ歯)欠点

  • 土台となる歯を削らないといけない
  • 歯がない人には、適応できない
  • 残っている歯の状態が、歯周病の場合は、適応できない
  • 治療できる歯科医師が少ない
  • 土台となる歯を、失った場合に入れ歯の維持がなくなることがある

 

入れ歯博士が解説!よくわかる入れ歯治療のまとめ

 

取り外せる入れ歯入れ歯には、様々な種類がありますね。まずはじめは、保険か自費で迷われるのではないでしょうか?
人により、予算も様々ですし、自分にあった治療方法も様々です。

入れ歯の治療を受ける際には、まず、自分にあった治療は、なんなのか?そして、入れ歯を作り直す原因は、なんなのか?を主治医の先生とよく相談して決めてください。

 

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